採用代行と人材紹介の違いとは?各メリット・デメリット・使い分けのコツを解説
企業が優秀な人材を確保するためには、採用活動が欠かせません。しかし、採用業務には多くの時間とリソースが必要であり、その負担は小さくありません。
こうした背景から、採用業務の一部または全部を外部に委託する「採用代行(RPO)」や、専門性の高い人材を紹介してもらう「人材紹介」が注目されています。本記事では、採用代行と人材紹介の違いや、それぞれのメリット・デメリット、効果的な使い分けのコツについて解説します。
目次[非表示]
- 1.採用代行と人材紹介の違い
- 2.サービス内容の違い
- 3.採用代行と人材紹介のメリット
- 3.1.採用代行のメリット
- 3.1.1. 採用業務全体を効率化できる
- 3.1.2. 最新の採用ノウハウを活用できる
- 3.1.3. 採用コストを管理しやすい
- 3.2.人材紹介のメリット
- 3.2.1. 初期費用が不要
- 3.2.2. 専門職やハイスキル人材の確保
- 3.2.3. 採用の迅速化
- 4.採用代行と人材紹介のデメリット
- 4.1.採用代行のデメリット
- 4.1.1. 社内ノウハウの蓄積が難しい場合がある
- 4.1.2. コミュニケーションの課題
- 4.1.3. 初期導入の負担
- 4.2.人材紹介のデメリット
- 4.2.1. 高額なコストがかかる
- 4.2.2. 大規模採用には不向き
- 4.2.3. 依存度の高さ
- 5.採用代行と人材紹介の使い分けのコツ・ポイント
- 5.1.採用目標に応じた選択
- 5.2.コストと効果のバランス
- 5.3.柔軟な対応が求められる場面での活用
- 6.採用代行はセレブリックスまでご相談ください
採用代行と人材紹介の違い
矢野経済研究所による2022年の採用アウトソーシング市場に関する調査によると、若年層を中心とした人材確保の難しさや採用業務の煩雑化が進む中、採用業務を外注化する動きが高まり、サービス需要が拡大しています。2021年度の市場規模は628億円で、前年度比15.0%増加。2022年度も12.4%増の706億円が予測されており、特に中途採用領域でのサービス需要が順調に拡大しています。
採用代行と人材紹介の違いは下記のとおりです。
項目 |
採用代行 |
人材紹介 |
サービス内容 |
企業が行う採用業務の一部または全部を外部に委託するサービス。 |
企業が求める条件に合った候補者を選定し、紹介するサービス。 |
料金体系 |
月額固定料金または従量課金制が一般的。 |
成功報酬型が一般的 |
法律面 |
職業安定法第36条の「委託募集」に該当 |
職業安定法第4条の「職業紹介事業」に該当。 |
対象企業 |
大規模な採用を行う企業や、採用ノウハウが不足している企業に適している。 |
特定の専門職や高度なスキルを持つ人材を必要とする企業に適している |
出典:矢野経済研究所「採用アウトソーシング市場に関する調査を実施(2022年)」
各項目の違いについて、詳しく見ていきましょう。
サービス内容の違い
採用代行(RPO)は、企業が行う採用業務の一部または全部を外部に委託するサービスです。具体的には、求人票の作成、応募者のスクリーニング、面接日程の調整、合否連絡といった採用プロセス全般にわたる業務を代行します。これにより、企業は採用業務の負担を軽減し、自社のリソースをコア業務に集中させることができます。
一方で、人材紹介は、企業が求める条件に合った候補者を人材紹介会社が選定し、紹介するサービスです。人材紹介会社は、自社のデータベースやネットワークを活用し、企業の要件に合致する人材を見つけ出し、推薦します。企業はこの候補者と面接を行い、採用の可否を判断します。
料金体系の違い
採用代行は、主に月額固定料金または従量課金制の場合が多く、委託する業務内容やボリュームに応じて料金が変動します。たとえば、採用業務全体を委託する場合と、一部の業務のみを委託する場合とでは費用が異なります。企業は予算を計画的に立てやすいという利点があります。
対照的に、人材紹介は成功報酬型の料金体系が一般的です。つまり、採用が決定した場合のみ、採用された人材の年収に応じた報酬が発生します。この報酬は通常、年収の30〜40%が相場とされており、採用が確定するまでは費用が発生しないため、初期費用のリスクを抑えられる点が特徴です。
法律面での違い
採用代行と人材紹介には、適用される法律面でも違いがあります。採用代行は、企業が外部業者に採用業務を委託する形態で、職業安定法第36条の「委託募集」に該当します。このため、業務を委託するには厚生労働大臣または管轄の労働局長の許可が必要です。
とは言え、多くの場合は基準を満たすことができるため、法律面のハードルが高いとは言えません。
一方、人材紹介は、企業と求職者を仲介するサービスであり、職業安定法第4条の「職業紹介事業」に該当します。人材紹介業を行うためには、厚生労働大臣の許可が必要です。
対象企業の違い
採用代行と人材紹介に対してニーズがある企業はそれぞれ異なります。
採用代行は、大規模な採用を行う企業や、採用ノウハウが不足している企業に適しています。
たとえば、大手小売チェーンが新規店舗の展開に伴い、全国で一斉に大量の新卒採用を行うケースを考えてみましょう。この場合、採用の母集団形成から選考、内定者フォローに至るまでのプロセスが膨大で、各地域の採用活動を統一的に管理し、効果的に進めることが必要です。採用代行を活用することで、採用プロセス全体を効率的に運用できます。
ちなみにセレブリックスでは、年間100名以上の新卒採用、年間採用目標400名を継続して達成など多くの実績がありますので、お気軽にご相談ください。
一方、人材紹介は、特定の専門職や高度なスキルを持つ人材を必要とする企業に適しています。たとえば、エグゼクティブ層や専門技術者の採用が求められる場合、人材紹介会社のネットワークやデータベースを活用することで、適切な人材を効率的に見つけることができます。
採用代行と人材紹介のメリット
ここまでの内容をもとに、採用代行と人材紹介のメリットについて詳しく見ていきましょう。
採用代行のメリット
採用代行のメリットは下記のとおりです。
採用業務全体を効率化できる
採用代行では採用業務の全体を外部に委託できるため、業務の効率化が図れます。これにより、社内の人事担当者は、戦略的な人事計画や社員の育成など、コア業務に集中できるようになります。
たとえば、新卒採用のピーク時など、採用業務が集中する時期には、採用代行サービスを活用することで、スムーズに業務を進めることが可能です。
最新の採用ノウハウを活用できる
採用代行サービスを提供する会社は、最新の採用トレンドや市場動向を熟知しており、これらの知識を基に最適な採用戦略を提案します。これにより、企業は常に最新の採用手法を取り入れることができ、競争力を維持することが可能です。
たとえば、新たな採用チャネルの活用や、データドリブンな採用戦略の導入など、専門的なノウハウを活用することで、より効果的な採用活動が期待できます。
採用コストを管理しやすい
採用代行は、業務の一部を外部委託することで、予算の範囲内で計画的に採用活動を行うことができます。特に、大規模な採用プロジェクトにおいては、固定費用の採用代行サービスを利用することで、コストを一定に保ちながら、多くの人材を効率的に採用することが可能です。
人材紹介のメリット
続いて、人材紹介のメリットについて詳しく見ていきましょう。
初期費用が不要
人材紹介の最大のメリットは、初期費用がかからない点です。企業は、採用が確定するまで費用が発生しないため、リスクを抑えた形で採用活動を進めることができます。特に、採用予算が限られている企業にとっては、大きな利点となります。
専門職やハイスキル人材の確保
人材紹介会社は、特定の専門分野や業界に精通しており、企業のニーズに合った高スキルの人材を紹介します。たとえば、ITエンジニアや医療分野の専門職など、特定のスキルセットを持つ人材を確保するためには、人材紹介会社のネットワークを活用することが非常に有効です。
ただし、採用代行でも事前の要件定義によって専門職やハイスキル人材の採用は可能です。
採用の迅速化
人材紹介会社は求職者のデータベースを持っているため、企業の要件に合致する人材を迅速に紹介することが可能です。これにより、急な欠員が出た場合でも、短期間での採用が実現できます。
採用代行と人材紹介のデメリット
続いて、採用代行と人材紹介のデメリットについて詳しく見ていきましょう。
採用代行のデメリット
採用代行のデメリットは下記のとおりです。
社内ノウハウの蓄積が難しい場合がある
採用代行に業務を委託することで、企業内部に採用ノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。採用業務を全て外部に委託することで、社内の担当者が実務に関与する機会が減少し、結果としてノウハウが社内に残らないという問題が発生します。
ただし、すべての採用代行サービスが該当することではありません。たとえばセレブリックスの採用代行サービスはお客様の課題に合わせた戦略・解決策のご提案が可能です。採用代行のデメリットが気になる場合でも、そのデメリットを解消する手段のご提案ができますので、まずはお気軽にご相談ください。
コミュニケーションの課題
採用代行を利用する場合、企業と外部業者との間で密なコミュニケーションが求められます。しかし、企業と外部業者との間で認識のずれが生じると、採用プロセスに支障が出る可能性があります。特に、企業のカルチャーや採用基準に関する細かなニュアンスが伝わりにくい場合、ミスマッチが起こりやすくなります。
初期導入の負担
採用代行を導入する際には、初期の段階で業務の範囲やフローを明確にする必要があります。このプロセスには、社内での調整や打ち合わせが必要となり、初期導入の負担が発生します。導入初期には、業務の見直しや委託先との連携強化が求められるため、一定の準備期間が必要です。
人材紹介のデメリット
続いて、人材紹介のデメリットについて詳しく見ていきましょう。
高額なコストがかかる
人材紹介は成功報酬型のため、採用が決定した際には高額な報酬が発生します。特に、高スキルの人材やエグゼクティブクラスの人材を採用する場合、年収の30〜40%が手数料として発生するため、企業にとっては大きなコスト負担となる可能性があります。
また、採用できるタイミングはコントロールが難しいため、予期せぬタイミングで多額のコストが発生する可能性もあるでしょう。
大規模採用には不向き
人材紹介は、特定のポジションやスキルセットを持つ人材を採用する際に有効ですが、大規模な採用には不向きです。大量の人材を必要とする場合、人材紹介だけではカバーしきれないことが多く、その場合には別の採用手法と組み合わせる必要があります。
依存度の高さ
人材紹介に依存しすぎると、社内の採用力が低下するリスクがあります。人材紹介会社に頼りすぎることで、自社での採用活動が疎かになり、結果として自社の採用ノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。企業は、紹介会社に頼りすぎないバランスの取れた採用活動を心がける必要があります。
採用代行と人材紹介の使い分けのコツ・ポイント
採用代行と人材紹介は、下記の観点から使い分けましょう。
採用目標に応じた選択
採用代行と人材紹介のどちらを利用するかは、企業の採用目標に応じて決定することが重要です。たとえば、年間を通じて多くの人材を採用する必要がある場合には、採用代行を利用することで効率的に採用活動を進めることができます。一方で、特定の専門職や高スキルの人材をピンポイントで採用する場合には、人材紹介が適しています。
コストと効果のバランス
採用代行と人材紹介のコストと効果を比較し、自社にとって最適な選択を行うことが大切です。たとえば、大規模な採用プロジェクトでは、採用代行を利用することでコストを一定に保ちながら、効率的に採用活動を進めることができます。一方で、少数精鋭の採用を目指す場合には、人材紹介を利用して質の高い候補者を確保することが効果的です。
柔軟な対応が求められる場面での活用
採用活動には、突発的なニーズや状況の変化がつきものです。たとえば、急な欠員が発生した場合や、新規プロジェクトの立ち上げに伴い、短期間での大量採用が必要な場合には、採用代行を活用することでスピーディーに対応することが可能です。
一方で、長期的な視点で専門性の高い人材を確保したい場合には、人材紹介を利用することで、計画的かつ効果的な採用が実現できます。
採用代行はセレブリックスまでご相談ください
採用代行や人材紹介をどのように活用するかは、企業の採用ニーズや目標に応じて慎重に判断することが重要です。セレブリックスでは、企業の採用課題に応じた最適なソリューションを提供し、採用活動をサポートします。採用代行や人材紹介についてのご相談や詳細なサービス内容については、お気軽に問い合わせください。
セレブリックスのサービス紹介