来店の集客だけではないO2Oマーケティング
ネットの世界とリアルな店舗を融合させているO2Oマーケティングですが、まったく問題がないわけではありません。多くの方がO2Oマーケティングと聞いた時に真っ先に思い浮かべるのが「ショールーミング」という言葉でしょうが、そのショールーミングによって、今、実際の店舗が苦境に立たされているのです。
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<目次>
リアル店舗を悩ますショールーミング
たとえば欲しいPCがあるとしましょう。ネットに書いてある説明だけではそのPCの良さが完全には伝わらない場合があります。だから消費者は、それがどのようなものであるかを実際にお店に行って確かめた上でネット通販によって購入するというものです。この消費者行動はショールーミングと呼ばれています。
なぜリアル店舗で買わずにネット通販で買うかと言えば、店舗や店員を持たないネット通販のほうが価格が安くなるからです。損をするのは実際の店舗になります。商品を展示して店員が丁寧に説明までしたあげく、ネット通販という他の店に客を奪われてしまうのですから。
もちろんこれはO2Oの世界に限ったものではなく、ネット通販が誕生した時代から行われてきました。しかしスマホというその場で申し込みができる端末機が誕生したことでショールーミングはますます加速しています。お店側にとっては嫌な言葉ですが、これは少しでも安いものを購入したいという消費者としては理解できる行動になるでしょう。
この対策として店内でスマホの撮影禁止などを呼びかけるお店もありましたが、それが強すぎるとブランドイメージを傷つけ逆効果になる場合もあります。
来店促進から購買促進へ
ショールーミングに似た現象は、ネットが普及する以前からもありました。その顕著な例は電化製品の店舗が集中する秋葉原にあります。ある商品の説明をしっかりとする店員。そして陳列された商品を実際に手で触れて機能を確かめる来店客。しかしその客は今、いる店舗で買うとは限りません。電化製品の街秋葉原ならもっと安売りしている店舗もあるからです。そのために各店舗は顧客を囲い込むサービスを展開しました。それ以上のことがO2Oマーケティングでは可能になります。
たとえばある家電量販店では陳列されている商品のバーコードをスキャンするとその商品に関する詳しい情報や特典が得られる仕組みを作り、スマホにはスマホで対抗する手段を取っています。このショールーミングという現象が教えてくれるのは、O2Oマーケティングが来店促進だけに留まらず、購買促進へと向かう必要が高まっているという事実です。
お店の売りも変えるO2Oマーケティング
来店促進から購買促進へと変化するO2Oマーケティング。しかしそれ以上に根底にある販売戦略にまでO2Oマーケティングは影響を与える場合があります。
たとえばO2Oマーケティングでは来店した顧客がどんなキーワードでその店を検索したかを追跡することも可能です。そして実際に見られるのが、自分たちが売りとしていたコンセプトとは異なるキーワードでそのお店を検索しているケースです。
仮に「本格的なフレンチをリーズナブルな価格で楽しめる」をセールスポイントにしていたお店があったとします。しかし来店客がそのお店を検索したキーワードは「女子会におススメのお店」でした。それがわかった段階でお店は、レディースメニューを充実させる他、内装も女性が好むようにアレンジするなどお店自体の売りを変えていく必要があります。
O2Oマーケティングは今後、来店促進以外の分野でもますます広がっていくようです。
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