フランチャイズチェーンで販促を成功させるポイント
フランチャイズチェーンの成功の鍵を握っているのは加盟店です。そしてその加盟店を元気にしていくためには本部の販促戦略というバックアップは欠かせません。ではその販促戦略を成功させていくポイントは何でしょうか。このコラムでは一緒に考えていきたいと思います。
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<目次>
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お店という現場の視点を離れない
フランチャイズチェーン店の本部は、加盟店であるフランチャイジーに対して仕入先や商品の管理システムやビジネスのノウハウを提供して日々の営業活動をサポートしています。そういった本部の支援の中でも最も重要な要素が、販売促進です。
多くの場合、それを担うのは本部側のマーケティング部署。こういった部署が機能することで集中して販促戦略に力を注ぐことができるでしょう。
ただ一点、気をつけておきたいことがあります。それは販促企画を行う本部側がフランチャイジーという現場の視点を離れてはいけないということです。
競合店はお店ごとに違う
チェーン店が陥りやすい販促企画の失敗は、全店舗共通の画一的な販促キャンペーンのみに終始してしまうこと。当たり前の話ですが、お店が10店舗あればそれぞれ環境は違います。
たとえば競合店もそうでしょう。フランチャイズチェーンは飲食店やエステ、ヨガなど様々な業種があると思いますが、必ずといっていいほど商圏内にライバル店が存在します。そして競合店に対抗する戦略を打つことなしには販促企画は成り立ちません。そしてそういった競合店の戦略は、お店ごと、商圏ごとにちがってくるでしょう。だからこそ、それらに対する手をきめ細かく打つことで初めて販促企画のアイデアは力を持ってくることになります。
また同時に商圏ごとに目をむけていきたいのはエリア特性です。エリア内で生活する人々の年齢や性別、年収などを細かく把握することで訴求すべき内容は明らかに異なってきます。
お店の差別化ポイントを明確にしていく
フランチャイジーという現場に目をむける理由は競合やエリア対策だけではありません。お店自身のウリや今、置かれている状況も現場によって異なります。
長年地域に根を下ろして営業をしてきたあるフランチャイジーは、今年開店10周年だったとします。それなら通常の販促キャンペーンではなく、大々的に周年イベントを実施したほうが効果は大きいでしょう。
別のフランチャイジーはヨガ店ですがトレーナーの丁寧なアドバイスが好評なお店です。そういった店舗ならあえて安さで競合店と勝負する必要はありません。中途半端な安さ訴求ではなく、おもいきって「無料お試しキャンペーン」を実施したほうが、より明確に差別化を図れるはずです。
全国キャンペーンで気をつけたいこと
ここまでそれぞれのフランチャイジーに合わせた販促に対する考え方を紹介してきましたが、だからと言って全国で共通する販促に意味がないわけではありません。
フランチャイズのチェーン店に加盟するメリットの一つは、そのブランド力や知名度を自分のお店で活かせるところにあります。まったく名前の知られていない個人店であるよりも、全国で名を知られているフランチャイズチェーンの名前を使うほうが信頼の度合いがちがいます。そういったブランド力や認知度を今後も維持していくためには全国レベルでのキャンペーンを継続的に実施してその名前を発信し続ける必要があるでしょう。
では全国の展開を考えていく手段としてどんな媒体を選べばよいでしょうか。
それにはテレビやラジオといったマス媒体を活用していくのが最も手っ取り早い手段ですが、実はそこにも地域という現場を無視するわけにはいきません。
たとえばTVCM一つを例に取れば地域によってはオンエアできる局が制限される場合があります。ラジオ局によっては山間部では電波が届かないという状況も発生するでしょう。
こういった媒体使用料も多くの場合は販促費としてそれぞれのフランチャイジーから一律で徴収されています。
したがって全国区で大きなキャンペーンを発信していくときには、こうした地域の事情を考慮して、不公平感のないような発信の仕方を行っていく必要があります。
最後の詰めを確実に
お店に合わせたきめ細かい販促企画も強いインパクトを持つ全国キャペーンもお店に足を運ばせる上では大きな力になることでしょう。ただそれができとしても実際に店頭でお客様にそれらの販促企画を想起してもらえなければ意味はありません。言い方を変えれば店頭という最後の詰めが甘ければどんな素晴らしい販促企画も絵に描いた餅になってしまいます。それを回避する上で欠かせないのは店頭や店内、または商品まわりのPOPやポスターです。
しかし、そういった最後の詰めをより確実にするのは人です。たとえばそのキャンペーンにまつわる商品を店頭サンプリングし、セールストークを一人ひとりに発信していけば確実に来店客に訴求していくことができます。
ただし、ここでまちがっていけないのが、店頭サンプリングを行うスタッフがしっかりと研修を受けているメンバーであること。強引であれば不快感を与えますし、消極的過ぎれば素通りしてしまいます。その意味で店頭サンプリングは直前でアルバイトを雇うのではなく、自社で確かな研修を実施している会社を選びたいものです。その選択をしっかり行うことが本当の意味でも最後の詰めを確実に行うことになるのです。