顧客接点創出に大事な要素。店舗や施設のキーパーソンにとって”役立つ人"になるには?
飲食店や美容院等の店舗や、介護施設、教育施設等をターゲットとしたサービス・商品をお持ちの企業様で、キーパーソンへ商品・サービスの案内をしたいが上手くいっていないということはありませんか?
「訪問営業をしても迷惑がられて話を聞いてもらえない…。」
「どうやって店舗を運営しているキーパーソンと接点を持てばいいのだろう…。」
こんなお悩みもあるかもしれません。
今回の記事では、そんなキーパーソンとの接点創出において大事な要素をお伝えします。
<目次>
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そもそもキーパーソンはどうやって情報収集をしている?
情報収集に割ける時間は、極わずか
キーパーソンと呼ばれる経営者は、実際にどれぐらいの時間を情報収集に費やすことが出来るのでしょうか。この役割の方たちが担う業務は、日々の売上管理、スタッフマネジメント、人事業務、顧客管理など多岐にわたります。ここに接客やサービメニューの開発等が入ってくることもあるでしょう。
飲食店の例を挙げると、下記のようなデータがあります。
【飲食店経営者の月の休日日数】
出展元:「飲食店リサーチ」https://www.inshokuten.com/research/company/
このデータによると、飲食店経営者の約8割は月の休日が6日以下と一般の会社員に比べて少なく、休日の日数を少なくしてまでやるべき業務が大量にあることが伺えます。
このようにキーパーソン(経営者)と呼ばれる方は、限られた時間の中で大量のマルチタスクをこなす必要があり、そのような環境下で情報収集に割く時間を捻出するのが難しいことは、想像に難くありません。
「情報収集=オンライン」ではない
ただ、そんな多忙な経営者の方も 全く情報収集をしないわけにはいきません。
トレンドの情報、取るべき法務対策、業務効率化ツールなど、経営者やキーパーソンの方が「知りたい情報」も「知らなければならない情報」も存在するのは事実です。
では経営者やキーパーソンの方たちは、どのように情報収集をしているのでしょうか。
下記は飲食店の経営者向けに「どこで役立つ情報を入手しているのか」というアンケートを取った結果です。(複数回答可)
出展元:「飲食店リサーチ 出展元 https://www.inshokuten.com/research/company/
この結果、「同業者 (63.1%) 」、「取引先 (42.6%) 」、「業界専門メディア (Web) (38.1%) 」、「書籍 (30.7%) 」、「コンサルタントや税理士など (29.5%) 」、「業界専門メディア (雑誌・新聞)(19.3%) 」、「セミナー (14.2%) 」となりました。
何か調べ物をする、情報を知ろうと思う=インターネット検索、というイメージが先行しがちな現代においては、意外な結果だったでしょうか?
ただ、先の章でも触れたように限られた時間の中での情報収集では、確実に役立つ情報をとる経路として、「信頼できる人」を介した経路がメインであることが伺えます。
情報をオンライン上に置いて待っているだけでは、見つけてもらえない
ここまでお話しをすると、自社の商品やサービスの情報を知ってもらうのは絶望的な気がしてしまいますよね…。
ただ、このように時間が限られている経営者やキーパーソンの人だからこそ、こちらから情報を届けなければ見つけてもらうことはできません。
Web広告を打っても、商品のLPを作成しても、それは「待ち」の姿勢であり、多忙な経営者やキーパーソンがその情報を取りに来てくれることはないのです。
では、どのようにして情報を届けるのがいいのでしょうか。
"迷惑な人"ではなく、"役立つ人"になる
ただ闇雲に商品やサービスの案内を届けにいっても、経営者やキーパーソンにとっては
「貴重な時間を使われて、求めてもいない情報をインプットしてくる、ただの”迷惑な人“」
になってしまいます。それは、訪問営業であっても架電営業であっても同様です。
経営者やキーパーソンの方が、求めているときに、求めている情報を届けられる。
もちろんこれが理想なのですが、その為には「求めている情報」や「情報を求める時期」を把握する必要があります。その為にまずは、企業のセールスマンはキーパーソンにとっての「役立つ人」になる必要があります。
キーパーソンにとって”役立つ情報"を届ける
“役立つ人”の考え方はとてもシンプルで、経営者やキーパーソンにとって”役立つ情報を届けてくれる人”です。
そして、役立つ情報は”nice to have情報(あったほうが良い情報)“よりも”must have情報(なくてはならない情報)”である方が、より理想的です。
ここでの“must have情報”とは、法改正の施行期日が決まっており、そこに経営者が対応する必要がある等の情報を指します。
分かりやすくするために、私たちが飲食店向けの厨房用洗剤を販売しているメーカーだとして、キーパーソンに届けるmust have情報を考えてみます。
ターゲットは調理をする厨房を持つ飲食店やスーパー、もしくはその本部だと仮定します。
その上でのmust have情報の具体的な例を挙げると、2021年6月1日に大幅に改正された「食品衛生法」等がそれに該当します。もっと正確に言うと2021年5月まで、つまり法改正が施行される前までがmust have情報となります。
この法改正により、HACCP(ハサップ)※の制度化や営業許可制度の見直しなど、大きな変更があり、飲食店をはじめとする小規模営業者等は、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理に基づく手引書を参考に、取り組むことが義務付けられました。
これらの情報を、法改正前に飲食店やスーパー、その本部に持参をし、
「間もなく食品衛生法が改正されます。改正ポイントをまとめたレポートをお持ちしましたので(お送りしますので)、是非お受け取りいただけますでしょうか?」というように、相手にとって耳寄りな役立つ情報を渡しにいきます。
訪問でも架電でも、先方の初期対応をしてくれた人が「受けるかどうかの判断ができない」と返答した場合はキーパーソンの情報をヒアリングすることができますし、もし初期対応がキーパーソンで、情報の受取を承諾してくれた場合は現状の課題感やそこに対する検討情報のヒアリングにトライします。
ここで重要なのは、あくまでも顧客目線で役立つ情報を届けることです。
いきなり商品の紹介を行って顧客接点を創ろうとする新規営業よりも、営業する側もされる側も心理的ハードルがぐっと下がります。
そしてその情報がmust have情報であればあるほど、先方の興味関心は高まり、「ちょっと聞いてみようかな」という姿勢になってもらえるはずです。
※ HACCP(ハサップ)・・・国際的にも認められた衛生管理手法
“must have情報“が無い時は?
このようにmust have情報がいつでもあるのが理想ですが、現実的には難しいですよね。その場合はnice to have情報のコンテンツを作成し、届ける数を増やします。
例えば、飲食店の例でいうと
「コロナ禍で2022年10月以降も活用できる、国の補助金や助成金の制度をご存知ですか?」
「原油価格・物価高騰に伴い”事業再構築補助金”の支援が拡大しているのをご存知ですか?」
などです。
あくまでも顧客目線で役立つ情報を届けることを心がけ、”役立つ人”になり、その後にBANT情報等をヒアリングします。
ここで焦って、いきなり自社の商品・サービス情報を届けようとする行為は、ターゲットの角度が分からないまま、一か八かでアタックする行為となりリストを無駄に消費してしまう可能性があります。その為、リストの数が大量に必要になるだけでなく、プロモーション費用を多くかけている競合会社に負けてしまうなどの、量や金額勝負になってしまいます。
情報には鮮度がある
また、届ける情報についてはmust have情報もnice to have情報も”鮮度”に注意です。
特にmust have情報は、1日経つと効力が急激に落ちてしまう場合があります。
先ほど例に出した食品衛生法のように、「法改正があるから対策が必要ですよ」といったmust have情報は、法改正が施行されたらあまり効力を持たず、キーパーソンにとっても興味度合が落ちてしまいます。
いずれの情報も
・must have情報か、nice to have情報か
・鮮度がいいものか
・顧客目線かどうか
これらの項目に注意した上で届けることを心がけましょう。
まとめ
今回はキーパーソンと顧客接点を創出するため、”役立つ人”になるための重要なポイントをお伝えしました。
「新規営業」と聞くと営業をする側も、される側も身構えてしまいがちですが、「相手の役に立つ情報を届ける」と考えると、気持ちの持ち方も、取るべき行動も変わってくるのではないでしょうか。
基本的なマインドかと思いますが、まずは相手の役に立つ情報を届けて、お悩みなどをしっかりと傾聴し、自分達の所持しているサービス・商品で解決できることが無いのかを考える、これがキーパーソンとの接点構築に重要な要素になります。
今回お伝えした内容をもっと詳しく知りたい方は、下記の資料も是非ご覧ください。