「購買心理」を制するものは、店頭を制する。


​​​​​​​突然ですが、「購買心理」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべますか?

このコラムをご覧になっている方の多くは、きっとマーケティングに携わっていらっしゃる方も多いはずなので、もしかすると「購買心理8段階」や「AIDMA(アイドマ)」といった学術的なフレーズを想起された方も多いかもしれません。

本稿では、そのような学術的観点での解説ではなく、より実践的な方法論として、更には「店頭における消費者の購買心理」という点にフォーカスを当てて、「購買心理」を理解することの重要性を解説していきます。


<目次>

目次[非表示]

  1. 1.成熟されたネット社会においても、消費者は店頭でモノを買う。
  2. 2.消費者は、本当に比較検討を行った上で、商品を買っているのか?
  3. 3.消費者の購買心理は、本当にコントロールできないものなのか?
    1. 3.1.【1】商品の展開方法によって「関連購買」を促す
    2. 3.2.【2】販促物等で五感に訴えることで「非計画購買(衝動買い)」を促す
    3. 3.3.【3】推奨販売によって「購買意欲」そのものを引き出す
  4. 4.まとめ:購買心理を制するものは、店頭を制する。そして、店頭を制するものは、市場を制する。

成熟されたネット社会においても、消費者は店頭でモノを買う。

まず「購買心理」とは、消費者が商品を検討・使用(消費)・廃棄するまでのプロセスであったり、或いは購買の意思決定を行う際の心理状態のことを指します。


この「購買心理」という概念が提唱され始めたのは、1900年代初頭にまで遡ると言われています。そして、その後の産業と消費行動の発展により、1900年代には『AIDMA(アイドマ)』をはじめとした体系立てられたモデルや理論が確立されるに至りました。

さらに2000年代に入ってからは、インターネットの加速度的な普及によって、そのプロセスはより高度化・複雑化され、現在も変化し続けています。このように「購買心理」の変遷を辿ると、2000年代初頭からのインターネットの普及が、やはり大きな影響を及ぼしていると言えます。

ですが、すべての購買行動がインターネット上で行われているかと言うと、決してそうではなく、テレビやラジオが今も情報発信のメディアとして存在し続けているように、スーパーマーケットやドラッグストア等の従来の販路(以下、店頭という)も存在し続けています。

実際に、店頭では今この瞬間も消費者による商品の購買が行われており、その結果として、より多くの支持を得る"売れ筋商品"とそうではない"死に筋商品"が生まれています。

では、その両者を隔てる境界線は何なのでしょうか。
実は、その境界線にこそ「購買心理」が大きく影響しています。

消費者は、本当に比較検討を行った上で、商品を買っているのか?

ここからは「購買心理を押さえた店頭施策」について、具体例を交えながら紹介します。

なお、一口に購買心理と言っても、その条件によって幾つもの施策が存在するため、今回はつぎのようなケースを想定して話を進めていきます。

■商 品:日用雑貨(歯ブラシや防虫剤、食器用洗剤など)
■単 価:300円~500円程度
■店 舗:スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店

上記のようなケースにおいて、まず注意しなければいけないことがあります。それは、商品のカテゴリーに関わらず、その多くは差別化が出来ていない状況であるという点です。この差別化が出来ていない状況を「コモディティ化」と言います。

コモディティ化は、メーカー間による激しい競争の結果、市場や店頭で流通している商品の多くが均質化(※)されることで生じます。
※正確には、メーカー側は差別化を図った上で商品を市場に投入しているものの、消費者側にはその特徴が正しく認識されていない、或いは違いが分かるほど明確な差が無い状況を指します。


たとえば、ドラッグストアの歯ブラシの売り場に立ってみて、目の前に陳列された商品の特徴を一つずつ理解することは、可能でしょうか?


現実的にそれは困難なことであり、また大多数の消費者はそのようなことは望んでいません。実際、多くの消費者はそこまで考えずに、瞬間的に、感覚的に判断して商品を手に取っているはずです。

消費者の購買心理は、本当にコントロールできないものなのか?

一見すると、コモディティ化された日用雑貨においては、購買心理をコントロールすることは不可能に見えるかもしれません。ですが、決してそうではありません。たしかに簡単なことではありませんが、たとえば以下に挙げるような店頭施策を通じて、自社の商品を手に取って貰う確率を上げることは十分可能です。

【1】商品の展開方法によって「関連購買」を促す

関連購買とは、買物客がその商品を購入する際に、ほかの関連性のある商品を一緒に買ってもらうことを指します。そのためには、関連性の強い商品群を、買物客の目線(使用目的や頻度、時期など)に立って、目につきやすく且つ手に取りやすい展開にしておくことが重要です。

【2】販促物等で五感に訴えることで「非計画購買(衝動買い)」を促す

ある研究結果によると、日用雑貨の購買における7-8割は非計画購買と言われております。つまり、買物客の多くは何かしらの目的をもって来店しているものの、蓋を開けると「元々買うつもりのなかったもの」や「A社の商品を買うつもりだったものの、B社のものを買った」といった衝動買いを多く行っています。したがって、デジタルPOPなどの販促物を使って、商品の特徴をその場で強く訴求することは依然有効な手段と言えます。

【3】推奨販売によって「購買意欲」そのものを引き出す

上記【2】にも通じることですが、買物客に商品を手に取って貰い、その特徴や効果・効能を実感して貰うことで非計画購買を促すことが可能です。そのために、推奨販売員(マネキンとも言います)による接客を通じて、商品の特徴やメリットの説明してその場で購買意欲を引き出す (潜在的な需要を呼び起こす) ことが重要です。

まとめ:購買心理を制するものは、店頭を制する。そして、店頭を制するものは、市場を制する。

いかがでしたでしょうか。
実際に、「売れ筋商品」とされている商品の多くは、上記のような施策によって、消費者に選ばれ、使用(消費)され、そしてリピートされています。
そして、それは偶然ではなく、確実性の高い店頭施策によって計画的に実現されています。その確実性を上げる手段こそ、購買心理を押さえることに他なりません。その点からすると、購買心理を理解することとは、つまり市場を制する第一歩と言えます。

今回ご紹介したような効果的な店頭施策について、ご興味やお困りの場合はお気軽にご相談ください。

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