インストアマーチャンダイジングとは~ラウンダー活用のメリット~
インストアマーチャンダイジング(ISM)とは店舗の購買意欲を促進するための戦略のことです。「一人でも多くの消費者に商品を買ってもらう」ために、売り場の陳列方法や販促物を活用して購買意欲を刺激します。
2020年以降、コロナウイルスの影響でネットショッピングの需要が高まったものの、食品や洗剤・シャンプーなどの日用品は実店舗で購入する人の方が圧倒的に多いのが現状です。社内230名にアンケートを実施したところ、日用品をECサイトで購入する人は全体の約4%という結果となりました。
コンビニエンスストアだけでなく、スーパーマーケットやドラッグストアでも深夜営業している店舗も多く手軽に直接購入できること等から、実店舗を利用する消費者の方が多いと考えられます。
また、ECサイトで様々な商品が手に入るようになった中で商品の差別化が図りづらいことから、消費者は経験・体験などの「コト消費」によって商品購入を決定する傾向にあります。
例えば、ECサイトで気になった洋服を実店舗で試着という体験をした上で購入を決定することや、柔軟剤や香水など実際の香りを体験して自分に合うものを購入する方も多いのではないでしょうか。そのため、商品の売り上げを上げるためには実店舗での購入率を上げることが非常に重要です。
そんな実店舗の販売促進をするために必要なのがインストアマーチャンダイジングです。
では、インストアマーチャンダイジングをすることによってどんなメリットがあるのでしょうか。
<目次>
目次[非表示]
インストアマーチャンダイジングのメリット
インストアマーチャンダイジングのメリットは以下の2つがあります
1.低コストで自社商品の売り上げUPができる
2.ついで買いを誘発できる
1.自社商品の売り上げUPができる
プロモーション施策として、TVCMや雑誌などのマスメディア広告やデジタル販促などがありますが、広告と店頭が連動していないことで広告の効果が高められていない場合があります。インストアマーチャンダイジングは店舗の導線や視認性の高い場所に商品陳列することや、販促POP・プライスポップを活用することで売り上げUPの効果が期待できます。売り場作りも連動して実施することが非常に重要です。
2.認知度UPやブランドスイッチが期待できる
陳列している商品を変更したり、売れている商品の横に陳列したり、生活者に対して目新しさや新しい発見を与えることが出来ます。更に、ついで買いを誘発する売り場作りを行うことで、ロイヤルユーザー獲得に向けてのブランドスイッチが期待できます。
このようにインストアマーチャンダイジングを行うことは、小売店・メーカーともに大きなメリットがあります。では具体的にどんな手法があるのでしょうか。
インストアマーチャンダイジングの手法
インストアマーチャンダイジングの手法は大きく3つに分けられます。
インストアマーチャンダイジングは小売り本部との合意事項と店舗巡回(ラウンダー)で効果を発揮します。ここでは店舗巡回で出来るインストアマーチャンダイジングについてご紹介します。
インストア・プロモーション(価格主導型・非価格主導型)
インストア・プロモーションとは、消費者に対して価格・便益訴求を直接的に行い、購買意欲を刺激する販促活動のことを指します。
【メーカーが店舗巡回で出来ること】
■価格主導型:期間限定増量品・企画品の先出し
期間限定で10%増量品等を発売するタイミングがあるかと思いますが、小売店スタッフは人手不足等で先入れ先出しや前出しの作業を行っていないことも少なくはありません。ラウンダーが巡回することで、先出しフォローも可能になり「適切なタイミング」で商品を販売することが出来ます。
■非価格主導型:販促物設置
非価格主導型では、香り見本等を活用して実際の香りを体験してもらう・テレビモニターやポスター等の販促ツールを活用して商品便益を訴求する方法です。販促物設置に関しても、設置されずにバックヤードに放置されたままであったり古い販促物が放置されていたりすることもあります。
香り見本を設置するだけで売り上げが10%向上するデータ、店舗巡回で販促物を設置することは非常に重要な活動といえます。
プラノグラム(棚割り)
プラノグラムとは「棚割り」のことで、最適な商品陳列を行うことを指します。
【メーカーが店舗巡回で出来ること】
■棚替え・棚割り改善
棚替えは小売バイヤーからメーカーへ依頼される場合もあるかと思いますが、メーカー営業担当者が棚替え作業を行うと、本部商談等のコア業務に集中できないという問題が発生します。そのため、棚替えラウンダーを派遣することで業務の効率化が図れます。
そして、店舗裁量の大きい小売りチェーンになると、棚割り通りに展開されていない場合もあります。自社商品が棚割り上ゴールデンゾーン等の優位置に展開されていない場合も多くありますが、ラウンダーがメーカー営業担当者の代わりに棚割り改善の交渉・作業をすることでインストアマーチャンダイジングの効果を発揮することができます。
棚替えコラムについてはコチラ
⇒「タイムリーな棚替えで売り上げUP!棚替えラウンダー活用のメリット」
スペース・アロケーション
スペース・アロケーションとはお客様の回遊性を上げるために、導線を管理することを指します。
【メーカーが店舗巡回で出来ること】
■優位置展開/多箇所展開/フェイス拡大など
自社商品を目に留まる場所へ陳列するには、ラウンダーが必要不可欠です。人通りの多い主導線沿いのトップエンドや入口、レジ前などはメーカー同士の棚取り合戦が店舗で行われています。店舗の一等地で商品の露出をすることで認知拡大・売上拡大につながります。実際にエンド棚下段から視認性が高まる上段へ商品を移動させたことで売り上げが1.5倍向上した事例もあります。
優位置展開コラムについてはコチラ
⇒売上アップに繋がる優位置展開!獲得するための近道とは
このように、店舗巡回をすることでインストアマーチャンダイジングの効果は高まりますが、
小売店スタッフの人手不足や膨大な商品の情報を整理しきれていないことから、本部指示が店頭で具現化されていないことも少なくはありません。そして、メーカー営業担当者も思うように店舗巡回は出来ていないのではないでしょうか。
メーカー営業担当者がインストアマーチャンダイジングに専念できない原因
メーカー営業担当者がインストアマーチャンダイジングに専念できない原因として2つあると考えられます。
1.店舗巡回をする時間がない
メーカー営業担当者は、小売り本部や卸業者と販売方法や棚割りなどの商談をメインで行っていることや、人手不足のためそもそも店舗巡回まで時間を割くことができないことが現状としてあります。
2.営業所が限られており、遠隔地の店舗巡回ができない
店舗巡回をしていたとしても、営業所の拠点数が限られているため営業所のない遠隔地の店舗巡回が出来ないということもインストアマーチャンダイジングに注力できない原因としてあげられます。
このように大きな要因として「人手不足」により思うように店舗巡回が出来ていない場合があると思いますが、自社で店舗巡回専属のラウンダー組織を作るにも、人件費などのさまざまなリスクが発生してしまいます。
そんな時にラウンダーをアウトソーシングすることが一番の近道です。
アウトソーシングでラウンダー活用をするメリット
インストアマーチャンダイジングに注力するための方法の一つとして、アウトソーシング(業務委託)があります。
店舗巡回専門のスタッフであるラウンダーを活用することで、全国の売り場状況の把握と自社の課題発見が可能です。アウトソーシングをするメリットとしては以下の3つです。
メリット①:営業体制が強化できる
これまでフォローできなかった遠隔地等の店舗巡回を行うことで、地域特性やより多くの店頭状況を理解することができます。その結果、本部商談に活用できる情報がより多くなり、小売り本部や卸業者からの信頼度もUPします。また、営業担当者が棚替えや改装などの急な店舗フォローに行くという負担もなくなるため、自社営業組織の業務改善にもつながります。
メリット②:本部企画の具現化で機会ロスを防止できる
本部企画の具現化を店舗巡回して行うことで、機会ロスの防止が可能です。また、新製品や季節商材など、早期に店頭露出したいものに関してもラウンダーを活用することで確実な展開が実施できます。
メリット③:インストアマーチャンダイジングに注力できる
なによりも、先ほどからお伝えしているインストアマーチャンダイジングに注力することで、売上UPにつながる効果が期待できます。
ラウンダーを活用することで、商品の陳列場所を変更することや・ついで買いを促進できる場所(トイレットペーパー売り場に芳香剤等)へ多箇所展開するアクションが可能で、個店毎に質の高い店舗巡回ができます。
インストアマーチャンダイジングを継続して行うことで、個店単位・チェーン単位・エリア単位での売り上げUPや商品の認知拡大が可能です。なかなか店頭まで手が回らない営業担当者様も、ぜひアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はインストアマーチャンダイジングについてのご紹介でした。
マーケティング施策は注力しているけどなかなか商品の売り上げが上がらない…とお悩みのメーカーご担当者様も店頭にチャンスがあるかもしれません。
店舗巡回をする余裕がないご担当者様も、セレブリックスのラウンダーサービスを活用いただくことで簡単に店頭状況を把握することが可能です。
ぜひセレブリックスのラウンダーサービスをご活用してみてはいかがでしょうか。