中途採用が難しい理由とは?ありがちな失敗例と成功させるポイントを解説
「中途採用が難しい」と、苦悶の表情を浮かべる企業様は少なくありません。日本では売り手市場が続いており、企業間で人材の争奪戦が激化しています。そのような状況下で中途採用を成功させるには、ポイントを押さえて、適切な対策を講じる必要があります。
そこで本記事では、中途採用が難しいといわれる理由とよくある失敗例、成功させるポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.中途採用が難しい5つの理由
- 1.1.①求人倍率が上昇している
- 1.2.②採用市場に即戦力となる人材が少ない
- 1.3.③人材の見極めが難しい
- 1.4.④採用決定までに時間をかけられないケースがある
- 1.5.⑤企業の知名度があげられない
- 2.中途採用でありがちな3つの失敗例
- 2.1.①応募が集まらない
- 2.2.②選考・内定の辞退が頻発する
- 2.3.③早期に離職されてしまう
- 3.中途採用を成功させるポイント
- 3.1.①採用基準を明確にする
- 3.2.②採用手法やフローを見直す
- 3.3.③採用業務を効率化する
- 4.まとめ
中途採用が難しい5つの理由
中途採用は、以前から「新卒採用より難しい」と言われていましたが、近年では、市場の影響でさらに難易度が増しています。
以下では、中途採用を難しくさせている5つの理由を解説します。
①求人倍率が上昇している
採用市場の指標になる“有効求人倍率”は、2014年以降1.0倍を上回りつづけています。
有効求人倍率とは、求職者1人に対して、何件の求人があるのかを示した数値です。有効求人倍率が1.0倍を超えると、求職者に有利な“売り手市場”となります。
少子高齢化による労働人口の減少が進む日本では、人材の希少性が高まる傾向は避けられません。このような背景から、中途採用を含む人材獲得は、ますます難しくなることが予想されます。
参照元:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和4年10月分)について』
②採用市場に即戦力となる人材が少ない
経験が豊富な人材を採用できる点は、中途採用のメリットです。しかし、即戦力となる人材は、そう簡単にみつかるものではありません。
そもそも、採用市場においては即戦力となる人材自体が希少です。現在の職場で十分な待遇を受けており、転職を必要としないケースも多く考えられます。また、転職を検討していたとしても、取引先や関係者から好待遇でスカウトされることも少なくありません。
即戦力となる人材を採用したい場合は、自社に魅力を感じてもらえるよう、他社との差別化を図る必要があります。
③人材の見極めが難しい
新卒採用と中途採用では、自社にマッチした人材かどうかを見極めるうえでの難易度が異なります。新卒採用の場合、大半の応募者は未経験者なため、学生時代に培った能力や熱意などで採否を決めることができます。
一方、中途採用の場合、業界での経験やスキルの有無、人柄など多方面から人材の特性を判断しなければなりません。限られた時間内での面接で、これらを見極めなければならないので、中途採用は新卒採用以上に難しいといえます。
④採用決定までに時間をかけられないケースがある
業務量の増加や人員不足による欠員補充を目的に、中途採用を行う場合もあります。しかし、時間の猶予がない状態での採用活動は、人材の見極めに十分なリソースを割けず、採用後に求職者と企業とのあいだでミスマッチを起こすおそれがあります。
ただでさえ人材の見極めが困難な中途採用で、さらに採用したところですぐに離職してしまうといった事態に陥りかねません。
⑤企業の知名度があげられない
企業の知名度は、中途採用に影響を与える要因の一つです。大手企業の求人に応募が殺到する一方で、知名度の低い中小企業には、まったく応募が来ないといったケースは珍しくありません。
知名度を向上させる方法として、有料広告の利用も考えられますが、予算が限られている中小企業においては、大々的なPR戦略を取りにくいのが実情です。
中途採用でありがちな3つの失敗例
上記でお伝えした5つの理由により、中途採用の難易度があがるなかで、どのような失敗が起こるのかは気になるところです。そこで、中途採用でありがちな3つの失敗例をご紹介します。
①応募が集まらない
まず例として挙げられるのは、求人媒体を利用しているにもかかわらず、応募が集まらないというケースです。
原因としては、労働条件が他社に劣っていることや、企業の知名度が低いことが考えられます。そのような場合は、求人票の内容や利用している求人媒体の変更により、改善を試みるのが有効です。また、グレードの高い掲載プランに切り替えて、他社よりも広告の露出が増やせる状態に整えるのも一案です。
②選考・内定の辞退が頻発する
応募が集まったとしても、応募者に選考や内定を辞退されてしまっては元も子もありません。
選考や内定を辞退される主な理由として、連絡が遅いことが挙げられます。求職者の多くは、同時に複数社の選考を受けています。そのため、こちらが連絡に時間を要しているあいだに、他社への入社を決められてしまうかもしれません。
また、選考時の提出物や面接会場への来訪が、求職者の負担になっていることも考えられます。その際には、提出物の削減やWeb面接の導入が有効です。
③早期に離職されてしまう
早期離職は、社風とのミスマッチや、入社後のフォローが不足した際に起こる失敗例といえます。
「即戦力が欲しい」と採用を急いだばかりに、事前の説明を怠れば、採用した人材に大きな不安を与えてしまいます。応募者を集める際は、入社後の定着を考慮した根本的な仕組みを作っておくことが肝要です。
中途採用を成功させるポイント
難しいとされる中途採用ですが、以下のポイントを押さえることで、成功する可能性が高められます。採用活動に懸念点がある際は、ぜひ取り入れてみてください。
①採用基準を明確にする
まず、応募者が、自社に適した人材かを見極めるために、採用基準を定めておきます。採用基準が曖昧なままでは、面接官の主観に採否が委ねられることになるため、自社と応募者のあいだでミスマッチを起こしかねません。
採用基準を定める際は、採用したい人材のペルソナ設定が重要です。具体的な人物像や実務経験の年数、必要な資格などを明確にしておき、社内で共有しておきたいところです。
②採用手法やフローを見直す
思うように応募数が集まらない場合は、採用手法やフローを見直してみてください。
利用できる求人媒体は、転職サイトや転職エージェント、人材紹介サービスなどさまざまです。それぞれ特徴が異なるので、利用する求人媒体は、採用したい人材に合わせて選択します。
③採用業務を効率化する
人事や採用の担当者が抱えている業務量も今一度、確認したいところです。担当者の業務負担が大きければ、採用活動に注力できず、求職者に対して適切な対応ができなくなるおそれがあります。
人的リソースが不足している場合は、外部委託サービスを利用するなどして、業務の効率化を図る必要があります。
まとめ
今回は、中途採用が難しい理由を解説しました。
・中途採用が難しい5つの理由
・中途採用でありがちな3つの失敗例
・中途採用を成功させるポイント
中途採用は、新卒採用より人材の見極めが難しいと言われています。売り手市場が続いており、採用の難易度が増すなか、中途採用を成功させるには、ポイントを押さえて、適切な対処を取らなければなりません。
また、採用活動に割けるリソースが足りていない場合は、業務の外部委託を活用するのもおすすめです。
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