企業の主な採用課題とは?主要な課題と解決策を解説
「優秀な人材を確保できない」とお悩みの企業様は多いのではないでしょうか。
近年は少子高齢化による労働人口の減少も相まって、採用活動はより厳しさを増しています。
そのような中で、採用活動を成功させるには、人材の獲得効率を低減させている“採用課題”を解決しなければなりません。
そこで本記事では、近年の採用市場の動向をお伝えしたうえで、主要な採用課題とその解決策を解説します。
目次[非表示]
- 1.採用課題とは
- 2.採用課題の一覧
- 3.採用市場の動向
- 4.採用課題の調査・分析方法
- 5.主要な採用課題と解決策
- 5.1.①応募が集まらない
- 5.2.②求める人材からの応募がない
- 5.3.③面接の辞退が多い
- 5.4.④入社後の定着率が悪い
- 6.まとめ
- 7.セレブリックスのサービス紹介
採用課題とは
採用課題とは、人材獲得の効率を低下させている要因のことです。
採用活動のボトルネックであり、対策を講じなければ、採用効率の改善は難しいといえます。
採用課題の具体的な内容は企業によって異なりますが、大別としては、
以下の3つに分けられます。
▼採用課題の分類
①募集段階の課題
②選考段階の課題
③入社後の課題
採用活動の質を改善するには、自社の状況を分析し、どのような採用課題を抱えているかを認識したうえで、的確な対策を講じることが大切です。
採用課題の一覧
前述したように、採用課題は3つに分類されます。それぞれどのような課題が発生するのか、具体的な内容を表にまとめました。
▼採用課題の一覧
採用課題の分類 |
具体的な内容 |
応募段階の課題 |
・応募が集まらない |
選考段階の課題 |
・面接の辞退が多い |
入社後の課題 |
・早期退職者が多い |
採用課題は、社内フローの問題だけでなく、市場の情勢にも影響を受けて発生します。次の項では、近年の採用市場の動向をお伝えします。
採用市場の動向
以前より日本では、企業の求人数に対して、就職候補者が少ない“売り手市場”が続いています。
売り手市場の指標になる有効求人倍率は、2014年以降、1.00倍を下回ることなく、2023年には1.34倍まで上昇しました。つまり、求職者に選ばれない求人がそれだけ増えたということです。この伸びを見て分かるように、現在の採用市場は、企業にとって非常に厳しい状況といえます。
とりわけ、IT人材の不足が顕著に表れています。経済産業省の調査によると、2030年にIT業界では、約59万人もの人材が不足するというデータが出ており、今後も企業間でIT人材の争奪戦が激化する見通しです。
参照元:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和5年2月分)について』
参照元:製剤産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』
採用課題の調査・分析方法
採用活動がうまくいかない場合は、採用課題がどこに潜んでいるのかを明らかにするのが肝要です。採用フローを“応募から入社後”までに細分化したうえで、各フェーズに進んだ人数を集計し、歩留まりを算出します。
各フェーズを見比べて、歩留まりが著しく低下する部分を探し出すことで、採用課題が見つけやすくなります。
また、採用課題を解決するフレームワークとして、ロジックツリーが有効です。ロジックツリーとは、問題や課題をツリー状に整理し、その根本的な要因を導き出す方法です。課題や問題をツリーのトップに置き、考えられる要因を順番に並べていくことで、ロジカルに原因を究明できます。
採用課題が見つかり次第、具体的な策を講じて、フローの改善に取り掛かります。
主要な採用課題と解決策
この項では、採用課題のなかでも特に頻出する課題を取り上げ、その詳細と解決策をお伝えします。
①応募が集まらない
まず、挙げられるのは、応募が集まらないという課題です。
採用活動を成功させるには、自社で採用する可能性のある人材の集団、いわゆる“母集団”の形成が欠かせません。母集団が思うように集まらない場合は、求人情報の掲載媒体や、フローの見直しが必要です。母集団の目安は、採用目標の10〜20倍とされています。
なお、ひと口に求人媒体とはいっても、人材紹介サービスやハローワーク、求人広告などがあり、具体的な採用手法や得意とする分野はさまざまです。求人媒体の特性を活かしきれず、求職者と企業にミスマッチが起きていれば、必然的に応募数は少なくなります。
▶解決策
求人媒体の特徴を捉え、採用したい人材に合わせて適宜、選択しなければなりません。若手人材を求めている場合は若年層に人気のある求人サービスを用いる必要があります。
また、求人情報を掲載する際は、給与や待遇はもちろんですが、社風や入社後のキャリアプランといった、求職者の疑問や不安を解消する内容を記載することが大切です。求人票の情報量は、多いに越したことはないため、記載できる文字量は上限まで使用することをおすすめします。
②求める人材からの応募がない
応募数は集まるものの、求める人物像とマッチしないといったケースもあります。このような場合は、一度、採用要件を見直すことをおすすめします。
▶解決策
採用要件を見直すにあたって、ペルソナの設定は不可欠です。ペルソナとは、ターゲット(求職者)の人物像を具体的に設定したものです。若手が欲しいにもかかわらず、ベテランを求めるような求人内容では、ターゲットである若手求職者から敬遠されかねません。
また、あらかじめ求人情報に“その仕事に向いている人と向いていない人の特徴”を記載しておき、企業側が求める人物像を伝えてみるのも一案です。
③面接の辞退が多い
応募が集まり、面接するに至ったとしても、辞退されてしまっては元も子もありません。面接を辞退される原因として、自社の魅力を伝えきれず、求職者のなかで優先度が低くなっていることが考えられます。
▶解決策
福利厚生や休日休暇といった待遇面にくわえ、仕事のやりがいや企業の成長性などを明確に伝えられるよう、求人情報や求職者とコンタクトを取る際のコミュニケーションに工夫が必要です。
また、選考回数の多さが求職者の負担になっている場合もあります。面接の回数が増えれば、それだけ選考期間が長くなりますし、来社する手間も増えます。求職者の負担を軽減する手立てとして、面接回数の見直しやオンライン面接の導入を検討してみてもよいかもしれません。
④入社後の定着率が悪い
入社後の定着率が悪く、採用してもすぐに離職されてしまう場合は、採用段階と受け入れ後、どちらのタイミングで問題があるのかを特定しなければなりません。
▶解決策
問題を特定するには、退職希望者が現れた際に、なぜ辞めたいと思ったのかを丁寧に聞き出す必要があります。
求人情報と入社後の環境にギャップがある場合は、求人の内容を精査しなければなりません。受け入れ後の人間関係や業務負担に原因がある場合は、受け入れ部署の体制や会社の制度の改善が求められます。
入社後に感じるギャップを減らす試みとして、採用前の時点で、仕事の厳しい側面をあえて伝えておくことも有効です。現実的な情報開示により、入社後のミスマッチを防げます。
まとめ
今回は、採用課題の概要と解決策を解説しました。
採用課題は、人材獲得の効率を低下させている要因のことです。日本では、依然として売り手市場が続いており、採用の難易度は増すばかりです。そのため、採用課題の解決は企業にとって急務といえます。
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